そこで、現在の用地費を利息にして証券化すれば、どれだけの資金が調達できるかを逆算してみました。先の地方財政白書によると、都市計画事業の用地費は7,907億円ですから、これを利息の最大枠と考えて超長期国債の妥当な利率とされる2.0%で証券化すると、最大39兆5,350億円の資金が得られます。つまり、今後も毎年7,907億円分の用地が必要だとすれば、50年先までの用地が確保できる勘定です。ちなみに、その間の利息の累計は19兆7,680億円ですから倍の資金が得られるわけです。
  手順は、次のとおりです。初年度は、整備済みの道路や公園のうち最も基幹的なものから順に、総評価額が7,907億円になる分の用地を証券化し、これで集まった資金で新たに必要な用地を取得します。その利息は158億円ですから、用地費は7,750億円圧縮されます。そして、次年度は次の順位の用地を7,907億円分だけ証券化し、その利息158億円が上積みされるので圧縮分は7,590億円になる、ということを繰り返して行きます。ただ、利息の負担は後の世代ほど重くなって世代間の不公平が生じますので、こうして圧縮された用地費を節約するのではなく、これから必要になる既存都市施設の更新費などに充当して世代間の負担を公平にします。
 ところで、地方自治体にとっては、この証券は、いわば返済しなくてもよい地方債に変換させたと考えることができます。実は、証券化の意義は、ここにあります。公共会計では、用地費は、教育費や福祉費、人件費などと一緒に支出として計上されるため、道路や公園の用地はそれを整備した世代だけが負担する形となります。しかし、道路や公園は後の世代も使うわけですから、その用地を証券化して、代々受け継いでもらってもよいのではないでしょうか。
 もっとも、不動産証券化の根拠法である「資産流動化法」等では、地方自治体が所有不動産を証券化することは想定されていませんし、また、そもそも道路や公園の用地は、その用途や私権の設定が法律で厳しく制限されていますので、ここで言うほど簡単に実現できるものではありません。
 ここまで考えると、何も、わざわざ不動産の証券化といった面倒なことをやらなくても、現在の地方債の一部に「用地債」という名称を付け、利息だけ支払って借り換えを続ければよいではないかということに気が付きます。現在の国債や地方債も実質的には借り換えを続けていますので、それほど難しいことではないと思います。
 しかし、この手法にも問題があります。それは利息が累積して行くため、いずれは支払い利息に限界が来ることです。先の試算では、現在の予算が続くと考えても50年ですが、今後は人口減に伴って財政も縮小して行くでしょうから、実際はもっと早まります。つまり、かつてのような拡大社会なら成り立ちますが、これからやって来る縮小社会では新たな財源を確保しない限り成り立ちません。

続きはこちらから・・・
14_1へ このページ 14_3へ